UBL-038 Munich Helles

ついに本格稼働を始めた冷蔵器改造恒温槽、その性能を最大限に活用すべく発動するLager Beer醸造計画。Homebrew最難関の一つに数えられるそのStyleにUBLは成功を納めることができるのか。

2018/11/17

エヴァの次回予告みたいな形で書き出したが、それはともかくとして、せっかく恒温槽があるのだから、ラガーに挑戦してみることにした。ラガーを醸造する上での特徴は何といってもその絶妙に低い発酵温度の低さと、経験させるべき温度ステップの細かさだ。普段から醸造の魔導書として活用しているJames Morton著 村松静枝訳の「世界に通用するビールの作り方大辞典」によれば、ラガーの発酵ステップは以下の通りだ

・ウォートチラーや希釈によって麦汁温度を8℃まで下げ、エアレーションの後ピッチング
・5日日、8~12度に保ち発酵させ、Attenuationが50%に達していたら12時間ごとに麦汁温度を2℃づつ上げ、最終的に18℃に設定する
・最低5日間18℃に保ち、ジアセチルレストを行う。目標の最終比重に達しかつオフフレーバーが完全に消えるまで保持する。
・コールドクラッシングによる清澄化処理を行う
・プライミング、酵母添加、ボトリングを行い、冷蔵庫で数週間熟成させる

以上のように温度履歴のレンジは1~18℃と広く、そして複雑である。これは温調恒温槽を使わない限りまず不可能なわけである。手持ちの恒温槽は5℃くらいまでなら制御可能であるから、コールドクラッシングを通常稼働している冷蔵庫に任せれば全てのプロセスを達成可能だ。

スタイルとかレシピとか

ラガービールといってもエールと同じ様に様々なスタイルがある。今回は最もレシピがシンプルかつオフフレーバが出やすいミュンヘンへレスにチャレンジしてみることとする。問題の発見がしやすいため、最初の試行としては完璧。これが問題なく作れれば、他のどのラガーースタイルでも大きなミスは起きないだろう。

日本地ビール協会のBeerStyleGuidline2016によればミュンヘンへレスのスタイル定義は下記だ

色合いは、ペールないしゴールド。冷温白濁があってはならない。ミュンヒナー・ヘレスは、モルトのアロマとフレーバーが強調されたビールである。発酵中に生成された低レベルの硫黄臭とモルト風味が調和しているものも多く見られる。モルト・キャラクターは"パンのような"と表現されることが多いが、ごく軽く炒ったばかりの新鮮な大麦麦芽を思わせるものが相応しい。カラメル・キャラクターがあってはならない。ホップ・アロマはゼロないしロー・レベル。ホップ・フレーバーと苦味は、ヨーロッパ・ノーブルタイプのホップ由来のもので、ローまたはきわめてロー・レベルに抑える。フルーティーなエステルのアロマは許されない。ダイアセチルも不可。ボディはミディアムである。 
初期比重 (プラート度) :  1.044-1.050 (11.0-12.4 °Plato)
最終比重 (プラート度) : 1.008-1.012 (2.1-3.1 °Plato)
アルコール度数 : 4.8%-5.6%
ビタネス・ユニット : 18-25
色度数 : 4-5.5 (8-11 EBC)

ボヘミアン/ジャーマンピルスナーと比較して明確に異なるのはそのOGである。OGが低いためIBUも低い。カラメルキャラクターもない。これらの特徴ゆえ、オフフレーバーが存在した場合、感知しやすいというのがポイントだ。

という事でレシピを考えてみた。

Batch Size 8.0L
Malt : Pilsner Malt 80%, Munich Malt 20%
Hop : Tettnanger 
Yeast : WLP-838
Mashing : 65℃ 90min → 75℃ 10min
Boiling : 90min
Fermentation : 10℃ 5days → 14℃ 1day → 18℃ 1week (Diacetyl Rest) → 1℃ 3days (Cold Crushing)

モルトはPilsnerとMunichだ。当初はPilsnerオンリーで行こうと考えたのだが、それだけだとSRMがスタイル定義から外れてしまう。そのため今回はカラーの付与とモルト感のアップのため、Munichを20%加えることとした。名前もMunichだし… ホップはジャーマンホップであるTettnangerを採用。アーシー&スパイシーなアロマがHellesと相性が良いらしい。

マッシング温度はやや低めの65℃とし、ドリンカビリティ重視で行くことにした。今回使用するWLP-838のAttenuationがMax 76%と低めなのも考慮してのことだが、どうなるかはやってみないとわからない。煮沸時間はPilsner Malt由来のDMSを除去すべく90minを確保する。といっても別にPilsnerを用いずともとにかく90minやれば良い気もする。商業なら煮沸時間は露骨に生産コストに乗ってくるので安易に増やせはしないだろうが、今回も電気代が定額という寮のシステムのスキを突く。

発酵温度は教科書に従う。コールドクラッシング後、追酵母をしてプライミング後瓶詰め。その後、冷蔵庫内で2週間以上Lageringとする。

思考実験上はこれでひとまず完成。あとは実践だ。

2018/11/19 スターター醸造

ラガー醸造ではエールの場合の2倍程度の酵母数が必要とのこと。適切なPitching Rateを計算したところ、手持ちのパッケージだけでは十分な量が醸せそうになかったため、久しぶりにスターターを作る。

スターター用麦汁とイースト。麦汁が黒いのは、なぜか無意識のうちにダークDMEを発注してしまっていたからだ。スターター製作にあたって問題はないのでそのまま行く。DMEを溶かして作った麦汁を15分煮沸後、適度に冷まし、ゆっくりと殺菌消毒した瓶に移す。この際、極力空気を巻き込まないように注意してみた。冷凍庫に放り込んで液温を10℃まで下げたら、イーストを投入する。イースト投入時にはパッケージやハサミなど接液の可能性があるものは全てアルコールで殺菌した。

ラガーイーストなのでスターターも低温環境下で作る必要がある。温調冷蔵庫内にスターラーと瓶を放り込み、サーミスタを瓶側面に断熱材を使って押し付ける。これで雰囲気温度がサーミスタに及ぼす影響を極力小さくしている。冷蔵庫の設定温度は11℃とし、この状態で一昼夜撹拌を続けて健全な酵母増殖を促す。

2018/11/21 仕込み

スターターの準備をした翌日、仕込みを開始した。はじめてのラガー仕込みだが、MashingおよびBoilingについてはラガーと同様だ。

Saccharification Restでは65℃狙いで、時間平均温度は64.8℃であった。手動ON-OFF制御で少なくとも±0.5℃の精度でのマッシングが達成できる程度にはシステムの総括伝熱係数を体で覚えた感がある。

この後、90分ボイルをし、途中TettnangerとIrish Mossを適当に加えておいた。Aleとの違いはここからで、Lagerでは当然発酵温度である10℃まで麦汁を冷やさねばならない。今回は時間短縮のため、希釈用の水を冷凍庫で過冷却状態にしておくことで、温度を一気に下げる作戦を取ったが、それでも16℃までが限界であった。仕方なく梅酒瓶まるごとを冷凍庫に放り込み、2時間ほど放置することで10℃まで温度を下げた。

最終的なマッシング効率は75%と悪くない数字だ。

ピッチングの時だ。麦汁とスターターの温度は両者とも10℃ピッタリに合わせてある。

発酵容器は石見式。ポリ袋を容器に入れ、そこに麦汁とスターター溶液を投入する。濃度調整とエアレーションまでは予め梅酒瓶で行っているため、ポリ袋という不安定な容器で作業をする必要がないのがポイントだ。

最後にクリップで軽めに封をしたら仕込みは完了。即座に温調冷蔵庫に放り込み、設定温度を10度にして、あとは Saccharomyces pastorianus にお任せだ。

2018/11/26 Attenuation計測とDiacetyl Rest

ピッチングから6日経過し、主発酵からジアセチルレストへ移行するにあたっての見極めとして、Attenuation(発酵度)を計測してみた。Attenuationとはウォートに元々含まれていた糖分の何%が酵母によって代謝されたかを示すパラメータであり、下記の式で表される。

Attenuation=(Original Gravity - Current Gravity)/(Original - 1.000)*100 [%]

現在の比重と初期比重からAttenuationを求めた結果は73.9%と、既に使用酵母のMax Attenuation 76%付近まで発酵がすでに進行してしまっている!!ということで酵母の活性が残っているうちに、すぐさま冷蔵庫の設定温度を上げ、Diacetyl Restへ移行することにした。

■Diacetyl Restについて

Diacetiy Restとは、ビール中に含まれるDiacetylの低減を目的とした工程である。Diacetylとは発酵の初期過程において酵母から生成する化合物であり、バターやマーガリン、あるいはバタースコッチと形容される香りを持つのが特徴である。この芳香はスタイルによって許容範囲が異なり、例えばイングリッシュエールでは微量ならスタイルの特徴として許容されるようである。しかし今回のMunich Hellesやジャーマンピルスナー等のスタイル定義においては「ダイアセチルは不可」と明確に定義されているため、極力ビール中のDiacetyl濃度を低減する必要がある。Diacetylの閾値は0.15ppmと報告されている。

幸い、酵母には自身が生成したこのDiacetylを回収、還元し、無味無臭の物質へ変えてくれるため、発酵の後工程で温度を上昇させ酵母の活性を上げることでDiacetyl濃度を低減できる。Diacetyl Restについての詳細は、別途以下の記事にまとめておいた。

Diacetyl Restの制御

比重を計ったついでに、テイスティングをしてみると、キャラメルポップコーンのようなオイリーで甘ったるいアロマ。飲むと未発行の残糖をまず感じ、上記の香りと相まってくどさを感じた。なるほど確かに、これは今までのエールでは感じたことのない物であり、Diacetylの典型的特徴と符合する。こいつがジアセチルレストで消えてくれれば良いわけだ。

という事で、発酵温度を上げていく。温度変化による酵母へのストレスを低減する目的で、12時間に2℃のペースで18度まで昇温する。このペースは非常に遅く、都度の温度設定が必要なサーモスタットでは面倒なところだ。実際、冷蔵庫内の温度は入熱が支配的で、設定温度を上げて1時間後にはすぐ設定温度になってしまうことがわかった。つまり、12時間に2℃のペースでの線形温度上昇は手動操作では難しいということだ。今後、ラガーづくりにハマったとしたら、本格的にArduino等を用いて発酵温度スケジュールに沿った制御をしていくのが良さそうだ。

18℃に到達後、余裕を持って書籍推奨の5日から余裕を見て6日間、18℃で保持してジアセチルレストとした。

ジアセチルレストが完了したら、速やかにLagering(ラガーリング)工程に移行する。と言ってもやることは温調冷蔵庫の設定温度を1℃に設定し、放って置くだけである。凍結ギリギリの温度で保持することでビール中の酵母やタンパク等を沈殿させてクリアなビールにするとともに、熟成を図るのである。当初は3週間程度を見込んでいたが、Counter Pressure Bottle Fillerの開発遅延(正確には届いたチャイナ製フィラーがゴミだったせい)のせいで期間が伸び、5週間のラガーリングを経ることとなった。

2019/01/07 ケグ詰め

年をまたいでついに瓶詰め設備が整ったので、ようやくのケグ詰めである。ケグは漂白剤で殺菌後に十分にすすぎ、その後熱湯消毒を行った上、さらにアルコールスプレーを十分に吹いておいた。もちろん、ビールが通過するラインも同様である。殺菌後、内部の空気をCO2ボンベで丁寧にパージし、慎重に蓋をあけ、冷蔵庫内の発酵容器から丁寧にサイホンを用いて移送する。久しぶりのケグ詰め作業に非常に手間取ってしまった。久々にやってみた感想はやはりオープン環境での移送は液が飛び散ったりするし、酸化リスクも非常に高いということだ。次はサイホンを使わない方法、具体的にはCO2ガスで発酵容器からビールをケグに圧送し、直接ビアラインを逆流させるO2Freeな手続きを取りたい。

ということでなんとか完了。冷蔵庫に鎮座する2つの5Lケグが神々しい。それでは早速飲んでみることにした。CO2タンクの残量が怪しかったので、全量カーボネーションはせずに一部のリキッドをペットボトルに取り分けて、その分だけカーボネーションすることにした。

カーボネーションには3Dプリンターで自作したボトルキャップを使用した。一般的にペットボトルでのカーボネーションに使用されているマイクロカプラを用いずとも。普通の1/8の管用ネジがある継手ならなんでも使用できるので非常に便利だ。リキッドの温度を計測し、2.5GVが得られるガス圧にレギュレータをセット。加圧後、わずかにキャップを開くことで、ガスパージが可能だ。ガスパージ完了後、ガスがレギュレータを流れる音がしなくなるまで撹拌を行う。

2019/01/07 試飲

カーボネーション完了後、グラスに注いでみた。色は非常に透き通ったゴールデン。ラガーリングの効果がしっかり出ている。しかし泡持ちが極めて悪いのが気がかりだ。個別にペットボトルに取り分けた際の何かしらの悪影響によるものと信じたいが、どうだろう。

それでは香りと味はどうだろう…

グラスに鼻を近づけた瞬間、強烈なアロマと共に脳内に明瞭にスコッチウイスキーが浮かんだ。自分でもその現象に戸惑ったが、落ち着いてアロマを確かめると極めて明瞭でフルーティーな香りがする。形容するならそれは「青りんご」のような香りだ…!飲んでみると「これはシードルか??」と思うほどフレーバーはフレッシュな青りんごで、ライトなボディも相まって謎の爽快感が有る。完全にミュンヘンへレスのスタイルからは外れているが、これはこれとして飲み物としてアリなのではないか?と思っていた矢先、だんだんと頭痛がしてきたことに気がついた。

そこでようやくやらかしに気づいた。この「青りんご香」は酵母由来のエステルでも何でもなく、今まで教科書で散々読んできた典型的なオフフレーバーであり、その原因物質は「アセトアルデヒド」なのである。

アセトアルデヒドは二日酔いの原因物質として悪名高く、当然のだが摂取すると二日酔いの症状が出る。本で読んだ時は「青りんご香ならスタイルによっては許容されるんじゃないの?NEWTONとかあるし?」と思っていたのだが、実際に自分で作って飲んでみて初めてわかった。

これはそもそも毒なのである。眼の前に有るのは7Lの頭痛誘発アセトアルデヒドジュースなのである。

最初は最悪りんごジュースで割ってインチキNEWTONとして瓶詰めすれば良いかくらいに考えていたが、これでは人には出せないし、自分でも飲めない。スタイル外しどうこう以前に飲んだらアカン。オフフレーバーの原因物質として定義されている物質はいろいろ有るが、その中でも青りんごは健康に対して実害が有るという観点で最も忌むべきものなのだと体で理解した。

原因分析と次への対策

では何が悪かったのだろうか。複数の文献をあたってその原因と対策を以下にまとめる。

アセトアルデヒドは酵母によるグルコースを元にしたエタノール生成における中間生成物であり、発酵中に酵母の細胞からいくらかのアセトアルデヒドがウォート中に溶出する。そのため主発酵中にはどのビールにも大量に存在し、容易に感じ取れるものである。発酵が健全に進行していけば、主発酵中にウォート中に溶出したアセトアルデヒドの大半は再び酵母に吸収されてエタノール生成のために消費され、結果として官能閾値以下の濃度となり、オフフレーバとはなりえない。

しかし、発酵がうまく行かなかった場合、アセトアルデヒドは最終的なビール中に残存し、青りんご香りとして知覚され、更にひどい場合には深刻な頭痛すらもたらす。またアセトアルデヒドはエタノールの酸化反応によっても生成するため、発酵後のビールを過度に酸化させたばあいにも生じうる。さらに問題なのは、好気性バクテリアがそこに存在していた場合で、これらエタノールとアセトアルデヒドを代謝し酢酸を作り出すというおぞましい結果をもたらす。この場合はビールに露骨な酢の香りが付与される。またラガーリングなどの長期熟成中に於いても、酵母の健康状態が悪化していた場合、自己分解(Autolysis)によって酵母が死滅し、細胞中のアセトアルデヒドがが大量にビール中に放出されることもある。そのためラガーリングの際には酵母を熟成タンクから分離する事が必要である。

またアセトアルデヒドを生成しやすい菌株というのもあり、例えばアメリカンライトラガー用酵母(WhiteLabの型番ではWLP840に相当)は他の酵母と比較しアセトアルデヒドの生成量が多く、実際、アメリカンライトラガーのスタイルとして僅かな青りんご香は許容されている。しかしながら殆どのスタイルに於いて青りんご香は不適である。

参考文献


以上をまとめると、アセトアルデヒド対策としては以下の通り

  • 適切な量のイーストをウォートに投入する

アンダーピッチングでは発酵途中での発酵不良が発生する確率が高まり、結果としてアセトアルデヒドのエタノールへの代謝が十分になされないケースが有る。逆にオーバーピッチングであった場合についても発酵が高速で進行しすぎたためにアセトアルデヒド代謝が十分になされない場合があるため、適切なピッチングが必要である。

  • 十分なエアレーションの実施

エアレーションが不足していた場合、発酵不良が発生する確率が高まるため、十分なエアレーションによる健全な発酵が必要である。

  • 発酵未完了前の早期のラッキング、ファイニング、コールドクラッシングを防ぐ

発酵が未完了のままラッキング、ファイニング、コールドクラッシングのような酵母を物理的にビールから分離、ないし酵母の活性を下げる作業をしてしまうと、酵母によるビール中アセトアルデヒドのエタノールへの代謝が行われないため、アセトアルデヒドが十分に代謝されるまでイーストを主発酵容器中に残存させておく必要がある。

  • 発酵完了後のエタノール酸化を防ぐ

アセトアルデヒドはエタノールの酸化によっても生成するため、たとえ主発酵完了後に青りんご香が知覚されなくとも、後のプロセスで過度な酸素混入があった場合にはアセトアルデヒドが生成する可能性がある。

  • ラガーリング開始時にはラッキングを行う

ラガーリング期間中の酵母の自己溶融によるアセトアルデヒド放出を防ぐため、主発酵によるアセトアルデヒド除去が完全に完了したら丁寧にラッキングを行ってからラガーリングに移行する。


以上を踏まえると、今回のバッチにおける失敗の原因は、発酵未完了前の早期のラガーリングやラガーリングにおける酵母の自己溶融などにあると考えられる。前者については、主発酵がほぼ完了しつつ有る状態でジアセチルレストを行った事に起因し、ほとんどの酵母が沈殿し活性が下がってしまっていた事が考えられる。後者についてはまさにそのとおりで、5週間のラガーリング期間においてイーストケーキは発酵容器底部に沈殿したままであった。当初は酸化防止のリザーバになればいいかと思っていたが、そもそもこの低温では酵母は活動しないため、良いことが何一つ無い。

ということで次回への改善は以下

  1. 主発酵期間においてはこまめに比重を計測することで発酵状態を監視し、酵母活性が低下し凝集が生じる前にジアセチルレストへ移行し、ジアセチルおよびアセトアルデヒドの代謝を促進する。
  2. ジアセチルレストからラガーリングへ移行するにあたってはテイスティングを実施し、オフフレーバが完全に無いと判断できるまで放置する。
  3. ラガーリングの際にはラッキングを実施し、酵母の自己溶融によるアセトアルデヒド開放を防止する。またこの際、酸化には極力留意する。