Mashing to Fermentation Ver2

■Preparation for Masing

■マッシング水の調整について

マッシング水は水道水を用いる。水量は麦芽料に比例して決定する。麦芽量1kgに対して水量を4Lとし、この割合を今後固定することで、毎回同じ水-麦芽濃度を再現することで、マッシング効率を固定する。

麦芽投入前の水温については毎回低温調理器であげているが、毎回やや温度がずれる。そこでオフセット値を過去実績から割り出して、一発で合わせられるようにしたい。過去のデータを観ると、65℃狙いでBrewer's FriendのMash Tem Calcで計算した水温は70.2℃(麦芽量1.42kg、水量5L、麦芽初期温度20℃)これに合わせてお湯を投入したあとのマッシュ温度は61.2℃であったため、オフセットは3.8℃。なので、同じくBrewer's FriendのMash Temp CalcのTarget Tempに68.8℃と入力してその時の水温を用いればよいわけだ。こうして得られた温度は74.5℃だ。

pHマッシング水の温度を上げている最中に、pH調整も実施する。pH調整にはアスコルビン酸を用い、投入量は麦芽1Kgあたり1.5gを目安とする。

■麦芽の計量とか

麦芽の計量にあたっては、大きい鍋にグレインバッグを置き、小さい鍋をスケールに載せ、そこに麦芽を入れて計量していく。グレインバッグとしては洗濯ネットを使用するのが最適。100円ショップで適切なサイズのネットを見かけたら10個くらいまとめ買いしておこう。

水質調整剤 右からアスコルビン酸、石膏(硫酸カルシウム)、塩化カルシウム

3Dプリンターで自作した寸動鍋用水位計を使って適量の水を鍋に

低温調理器で目標の水温に昇温する。ほったらかしてる最中に別の作業ができるので、なにげに便利

昇温している最中に水質調整剤を投入。低温調理器のポンプでもって撹拌される。

■Mashing

水温が規定値に達したら、グレインバッグを鍋に移し、バッグが攪拌中に動かないよう、針金で固定する。十分に撹拌し、初期温度を計測し記録する。またこのタイミングでマッシュのpHを測定し記録しておく。

温度の維持については10分単位での加熱を行う。麦芽1.5kg、水量6Lのマッシュでは、経験上10分放置することで1.2℃の温度降下が生じるため、仮に目標温度が65℃ならば65.6℃と64.4℃の間を往復させれば良いことになる。マッシュの量が増えてくると、温度降下はより小さくなるため、都度調整が必要である。

マッシング時間は40minを一つの区切りとして、ヨウ素滴定を行う。問題なければスパージングに移行。糖化未完了なら+20分。

色と風味付けが目的のダークモルトについては、マッシング終了10分前程度に添加すれば良いとの情報があるため、次回は実践したい。

マッシュアウトはあまりやる意味が無いと考えているので、時間短縮&雑味移行防止のために省略する。

■Sparging

スパージング水量についても麦芽料に対して固定する。麦芽1kgに対して1Lとする。スパージング水についてもアスコルビン酸でpHを適切に下げる。1Lに対して薬さじの小さい方3杯が目安であり、この添加によってpHは5.2まで下がる。

スパージング終了時にはグレインバッグから滴るリキッドの比重とpHを記録する。この比重が1に近かったり、pHが中性に近かったりすると、麦芽からの渋みの溶出が発生する。麦芽1kgに対して1Lのスパージングでは渋みの溶出がおきたことはないが、バッチ毎の品質保証という点で記録はしたほうが良い。なおこの時点での回収ウォートの比重はどうにも経験的に意味をなしておらず、測らないことにする。

大き目のプラざるを寸動鍋とグレインバッグの間に挟み込み、スパージング。しばらく経ったら滴るリキッドのpHと比重を確認

得られたウォート。洗濯ネットを使用したグレインバッグはそのまま捨てられるので、片付けが非常に楽だ。

■Boiling

ボイル時間は60分を基本とし、ピルスナーやヴァイツェンなど、淡色系モルトを使用する場合にはDMS除去を目的として90minと長めに取る。

火力は手持ちのIHヒーターフルパワー一つ手前として、自分の環境だと、60minのボイルで1.8L蒸発する。

ビタリングホップを使用するにあたっては、不織布にホップを詰め、それを銅線で鍋内部に吊るせる構造とする。所定の時間が経過したタイミングでホップバッグは鍋から引き上げ、余計な苦味の溶出および渋みの溶出を防止する。

チラーはボイル完了15分前に鍋に投入しておき、熱湯消毒する。アイリッシュモスを投入する際はこのタイミングで添加する。添加量についてはモルトショップの推奨量に基づき仕込み量1Lあたり0.125gとする(6Lなら0.75g)

強火力でしっかり煮込む。

煮込んでいる最中にビタリングホップをお茶パックに詰めておく。そして銅線を結ぶ。

この銅線で持ってホップバッグをウォートに浸漬するわけである。なお手前に引っ掛けてあるのはウォートチラー。

■Whirlpool Hopping

ボイル終了間際はバタバタするので、ボイル中に予め使用するホップは用意しておく。

ホップは従来ダイレクトにウォートに投入していたが、これが渋みの原因となっている可能性が最近出てきたため、今後はビタリングホップの運用と同様、不織布に詰めて使用する。

ワールプールホッピングのスタート温度は79℃とし、予め不織布に詰めたホップを浸して30分放置する。DMSの再液化を防止するため、蓋はしない。30分経過後、温度計でウォート温度を計測、記録し、ホップ不織布を取り出して、チラーで一気に冷却する。


■次の実験としての打ち手

そもそも、ワールプールホッピングの工程では、麦汁にホップを漬ける必要はない。ホップの芳香化合物をビールに移しさえできればそれで良いのだ。

■Dilution and Pitching

冷却後、十分に殺菌した梅酒瓶にウォートを移す。鍋底に沈んだトラブを回収するか否かという議論が有るが、これは現状は保留とする。ブフナーロートシステムが完成した暁にはトラブ分離機構を組み込もうと思う。

移送後は十分に撹拌した後で比重を計り、適切に希釈を行い、ピッチングを実施する。

■Fermentation

発酵温度は適切に校正したサーモスタットで制御する。現状は梅酒瓶外周の温度計測であるが、将来的には内面の温度を取れるようにしたい。

側面に貼り付けたのがサーモスタットのサーミスタ。外面を保温シートで覆うことで極力正しい温度を図ろうとしている。