Automatic Controlled Fermentor Projects

あれは第31バッチ目、Hefeweizen Mk.7シリーズの仕込みが完了し、発酵工程にあった時である。

ピッチング後2~3日は酵母の増殖が盛んに行われるため、オフフレーバーの生成を避けるため低温の18℃近傍に発酵温度を保持するのが定石である。そのため、この期間はエアコンの設定温度を最低にして18℃以下の空間で生活することを強いられていた。これがとにかく辛い。屋外気温が18℃でもどうということはないが、それは常に歩き回っているからである。屋内ではほぼ運動を行わないため、体から熱が奪われる一方であり、18℃という環境下では手がかじかんでキーボードもろくに操作できない。

これをなんとか耐え忍び、あとはエステルの生成を狙ってやや高めの23℃近傍で推移させるのみ。しかしこのタイミングで家を一週間ほど空ける必要があったため、その週の週間予報の最高気温24度を信じ、エアコンを切って出かけてしまったのである。念の為、室内の温度を監視できるよう、Webカメラ前に温度計を設置。そして出発から二日後、インターネットを介して確認された部屋の温度をみて私は驚嘆した。

室温は30℃であったのである。

私の部屋はビルの最上階。たとえ気温が24℃であっても太陽の輻射に由来する天井からの入熱により、室温がそれ以上に上昇する可能性を考慮していなかったのだ。かくして使用酵母の発酵推奨温度上限である23度を超越した発酵条件が生まれてしまった。

なんだこれは。ビールの発酵温度制御するのしんどすぎではないか…

という事で、発酵温度の自動制御化プロジェクト、始動します。

2018/10

Amazonにて発見した1500円サーモスタットを用いて冷蔵庫の温度制御機構をHackingし、ペルチェ式冷蔵庫を醸造用恒温容器に改造する。

2018/10

改造済み冷蔵庫を手にしたことで理想の発酵環境を手に入れた。だが課題はその仕込み上限量の少なさ。そこで洗練された醸造手法である石見式醸造法の考えを取り入れ、発酵容器システムの最適化を試みる。