私が一番最初に手にしたスピリッツは私の尊敬する師の方が送ってくれたTanquerayのLondon Dry Ginであった。他のスピリッツのどれとも異なる特徴的な味と香りに魅力を感じ、そして何よりそれを使って自作したジン・トニックの飲み物としての完成度に驚きを抱いた私は、現在も最も好きなスピリッツとしてジンを常に冷蔵庫の中にストックしている。

そして昨今、クラフトビール文化の浸透に続き、クラフトジンの流れが日本を含む世界各国で巻き起こっている。典型的なレシピにとらわれず、無数にあるボタニカルを造り手が自由に選択、配合して作られるクラフトジンは非常に魅力的な飲み物である。

一方、ジンそのものは非常にシンプルなスピリッツであり穀物をベースにした蒸留酒にジュニパーベリーを中心としたハーブやスパイスを漬け込んで作る、いわば梅酒と同じ浸漬酒だ。ここで穀物をベースにした蒸留酒といえばそれはまさしくウォッカであり、要はウォッカに自分で収集したボタニカル類を漬け込むだけでジンを自作することができるのだ。

という事でジンを作ってみることにした。