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エグゾーストキャノンとは一言で言えば「空気砲」です。

しかし空気砲といってもダンボールの箱に丸い穴を開けて手で押すような子供だましのオモチャではありません。エグゾーストキャノンは内部に超高速で駆動する機械式のバルブを備え、圧縮空気を衝撃波とともに瞬間的に開放する、極めて強力な空気砲です。開放される圧縮空気の力は凄まじく、至近距離での射撃の威力は想像を遥かに超えるものとなります。

三才ブックスから出版されている「アリエナイ理科ノ工作」にその基本的構造と製作例が載せられていたのがこの装置の始まりであり、この本の著者、POKA氏がこのエグゾーストキャノンという装置の原案者です。

空気砲と言うと、某でん○ろう先生がTVに出まくっているせいで、ダンボールに穴を空けてのそれが一般的になってしまっています。かの装置は安定した渦輪を生成することで流体を遠方まで輸送する装置として極めて興味深いものですが、果たしてあの装置を「空気砲」と呼べるかというと甚だ疑問です。

空気砲という名を冠するからには、発射の際に「爆音」を伴い、対象にすさまじい「衝撃」を与える装置でなければなりません。真の空気砲の実現のためには、ダンボールを叩いてなどという悠長なことなどしていられません。

To put it briefly, "Exhaust Cannon" is "Air Cannon"

However, this Exhaust Cannon is not a boring toys such as cardboard box with round hole. Exhaust Cannon is an extremely intense air cannon with special mechanical valve which drives inside at high velocitiy, and it can fire the compressed air instantaneously with intense shock wave. The power of fired compressed air is fierce, and it will be beyond your imaginings.

When the name of "Air Cannon" is prsented, most people will imagine "boring toys such as cardboard box with round hole". That toy is really interesting in terms of generating of toroidal vortices which convect fluid to a distance. However, that toy is too weak to be called as a real "Air Cannon".

The real "Air Cannon" must be a equipment which genearate intense sound and give an impact to targets. To realize real "Air Cannon", beating cardboard is all too inadequacy.

エグゾーストキャノンの定義/Definition of "Exhaust Cannon"

では真の空気砲を実現するためにはどうすればよいか、

その一つの解は「蓄積した圧縮空気を機械式弁を用いて瞬間的に大気開放する」という手法であり、エグゾーストキャノはこの圧縮空気を充填するためのタンク、そしてそれを瞬間的に大気開放するための特殊な機械式のバルブから構成されています。

一般的なバルブであるボールバルブバタフライバルブでも圧縮空気を開放することは可能です。しかし、そのような一般的バルブを用いてもバルブから圧縮空気がダラダラと吹き出すだけで、ただの「エアダスター」状態となるのは想像に難くありません。

では一方エグゾーストキャノンではどうか、

本体内部に蓄積された圧縮空気はノズルから瞬間的に大気開放され、爆音を伴ってペーパークラフトを一瞬で粉砕します。通常のバルブと比較しまさに桁違いの性能です。

一般的なバルブとエグゾーストキャノンとの最大の差異は、その弁の流量、そしてその開放速度、この2つにあります。エグゾーストキャノンのバルブは通常のエアダスターの数百倍の流路断面積を有し、開放時に圧縮空気の流量を桁違いに大きく取ることができます。さらにこのバルブの開放速度は極めて高速であり、早い物では数msで全開します。

この超大流量+超高速という特性により、内部に蓄積した圧縮空気をドカンと塊で開放することが可能になるのです。

この桁違いの開放特性は「エグゾーストキャノンの弁がタンクに貯めた圧縮空気自体の圧力により駆動される」という特徴に起因します。この弁は一般に急速排気弁(QEV : Quick Exhaust Valve)と呼ばれ、制御する圧縮空気そのものの圧力を使ってバルブを高速で駆動し、その圧縮空気を排気するという面白い機構のバルブです。

この急速排気弁こそエグゾーストキャノンの心臓部であり、此処を如何に工夫するかが装置開発の最も面白いところです。

では実際にエグゾーストキャノンのバルブはどのような構造なのか、事項でより詳しく解説していきます。