Belgian White

Belgian Weizen / UBL-013
Bottling Date : 2017/10/09
Style : Belgian Weizen / 
Method : Malt Extract kit / 
Hop : Cascade (Bittering, Aroma) / 
IBU : ? / 
Yeast : WPL-300(White Labs)

Dry Hopped Belgian Weizen / UBL-014
Bottling Date : 2017/10/09
Style : Belgian Weizen / 
Method : Malt Extract kit / 
Hop : Cascade (Bittering, Aroma, Dry hopping) / 
IBU : ? 
Yeast : WPL-300(White Labs)


2017/09/09 仕込み

完璧な成功を収めた前回のAuthentisch Weizenであるが、その醸造がもたらしたものは素晴らしいビールだけではない。
ビールの醸造とは見方を変えればイーストに麦汁という栄養を与え、その数を増殖させることであり、醸造が完了した時点で投入時の何倍ものイーストが発酵容器の底に沈殿する。

Authentisch Weizenで使用したイーストはWhite Labs社のWPL-300、パック1200円という高級液体イーストであり、増殖したイーストをそのまま捨ててしまうのは愚の骨頂である。

ということで、ラッキング後にこのイーストを瓶に保管した。



1L瓶に回収され、沈殿したイースト。回収方法はビアトレ様のWEBサイトを参考にさせていただいた。
こいつを使ってまた別のビールを仕込む。当然スタイルは小麦関連だ。

ところで数ヶ月前にあるキット缶を買って冷蔵庫に放置していた。



BREWFARM社のTarwebierである。ロゴマークがメタルバンドっぽくて熱い。Tarweとは聞き慣れない名前であるが、要するに小麦ビールである。こいつをベースにすればWPL-300を大いに活かせるはずである。



前回と同様にヴァイツェンを作ってもしょうがないので、今回はベルジャンホワイトのスタイルに挑戦することにした。と言っても変更点としてはオレンジピールとコリアンダーを煮込み時に加えるだけである。



コリアンダーシードを適当に測る。アドバンストブルーイングの書籍の推奨グラム数と比較して1.5倍の量とした。イメージとして、この手のスパイスの主張はある程度強めのほうが良さそう。



小瓶の底でコリアンダーシードを破砕する。破砕する前はエスニックないい香りだが、破砕して匂いを嗅ぐと、見事にパクチーのアノ香りがする。一抹の不安を覚えるが、本家ベルジャンホワイトを飲んでパクチー感を感じたことは一度もないのでそのまま進める。



オレンジピールと合わせる。オレンジピールの量はレシピ本にはオレンジ一個分と記載があったが、どの程度の量か不明だったので、気持ち多めにしておいた。これらが10Lの仕込み量に対してどれだけの役割を持ってくれるのだろう。



仕込みを始める。缶を開けるときは念のため缶表面をアルコールで殺菌しておく。ドライモルトエキスの糖度はアホみたいに高いので、菌は繁殖できないはずであるが、念のためである。



缶切りで缶の蓋を開けたらアルミホイルを被せて湯煎する。湯煎した後で缶切りで蓋を開けようとすると当然缶が熱いので不可。
この辺の段取りはもう慣れたものである。



仕込み水を沸かし、コリアンダーシードとオレンジピールを加えて5分間煮込む。非常にエキゾチックでエスニックな良い香りが一帯を漂う。
これが完成体に個性として残ってくれたら最高。



5分後、加熱をやめ、加水して液温を79度以下にし、アロマホップを加える。
以前購入した参考書によれば、ホップの苦味成分が抽出される温度のしきい値は79度とのことらしい。つまりその温度以下の液体にホップを浸すことでアロマ成分だけを抽出できるというわけだ。
一方、世のビールレシピでは、加熱をやめたタイミングでアロマホップを添加するとの記載がある。これでは苦味成分が溶け出すだけではなく、アロマ成分も揮発してしまうとの指摘がある。

以上の説に基づき、今回は79度まで温度を下げてからホップを投入することとした。



諸々を発酵タンクに加え、温度がイースト投入の適温になっていることを温度計で確認し、イーストを加える。仕込み量はアドバンストブルーイングのレシピ本に基づき8Lとした。

仕込みが完了したら発酵に適した温度にエアコンの設定を変更する。
また室温が18度の日々が始まるのかと思うと鬱になるが、自家醸造ためには何らかの自己犠牲が不可欠であること忘れてはならない(体温とか電気代とか)



2017/9/12 比重測定

発酵開始から3日経過してエアロックからの泡の発生が停止した。ここいらでどんなもんか比重を計ってみる。
(初期比重を測り忘れていたのは置いておく



比重:1.022 液温:20℃
どうやらまだ発酵は完了していないようだ。泡の発生が起きていないにも関わらずこの比重、もしや何らかのトラブルによる発酵停止だろうか…?
参考書によれば、温度の下げ過ぎは当然酵母の活動を抑制する。今回は18度という設定にしておいたが、この温度は発酵が最も盛んな時期に適した温度であり、最盛期を過ぎた後は20度以上にして、完全な発行完了を目指し酵母の活動を継続させるのがベターらしい。



シリンダーに取った分を試飲してみる。

香り
従来のヴァイツェンとはまた異なり、バナナ香りの中にオレンジピールのような柑橘系の香りがあるといえばある
一方、コリアンダーのエスニックな香りは全く感じられない。

まだ発酵が完了していないので甘さが強い。従来のヴァイツェンシリーズで定番だった、若ビールの渋みと苦味、酸味は一切感じられない。小麦由来の非常に丸い味わい。今回の製法の変更点として、アロマホップの投入タイミングを変えたというのがあるが、その影響だろうか。まだ発酵開始から3日しか経過してないが、十分飲める

初回の味見結果としては、悪いところもなくなかなか悪くない印象だ。コリアンダーの香りがほとんどしないのが気になるが、完成してみないことにはなんとも言えない。


2017/09/18 最終比重測定

室温を地獄の18度から25度へ上げると無事に発酵は再開した。
前回測定から6日経過したところで発酵栓からの発泡が完全に沈黙したので、今日を発酵終了日として最終比重を計測する。


読み取り値は1.010、室温が25度であったので補正後の最終比重は1.0128となった。発酵終了時の比重としては妥当な値だ。
さて、今回のベルジャンホワイトだが、以前より考えていた目論見がある。

それはホワイトIPAの製造である。

ホワイトIPAとは上手く作れば理想のビールである。香りは酵母による豊かなエステル香とホップによる鮮烈な柑橘香が入り混じり、味は小麦由来の豊かな甘味、そして最後にキリッとした苦味が来る。過去に飲んだクラフトビールで最も驚きそして気に入ったのがこのスタイルだ。(DuvelのTriple Hop 2014やLagunitusのa Little Sumpin' Sumpin' Ale等が特にお気に入り)

今回醸したベルジャンホワイトについて、ベースは小麦で酵母もちゃんとエールだ。ここに大量にドライホップをしてやれば、ホワイトIPAみたいな物ができるんじゃないだろうか。
ビタリング用ホップをケチったとか、結局ドライホップするなら最初に入れたオレンジピールやコリアンダーとかの香味は消し飛ぶぞとか、そういうのはひとまず置いておき、ただ実験がしたいのだ。
幸いに手元にはカスケードホップが残っている。これらを今回の仕込み量の半量、4Lに全部ぶち込む。
カスケードの特徴である柑橘の香りと、WLP-300イーストの強烈なバナナ香りがしっかりマッチすれば、きっと面白いことになるはずだ…



手元にあったカスケードホップ全量。31gを4Lに加えるというのはなかなか贅沢な使い方だ。前回仕込んだヴァイツェン(UBL-010)では10Lの仕込みに対してホップの総使用量は14gだった。それと比較すれば4倍のホップ濃度だ。



30gのホップを3分割し、それぞれをお茶パックに入れてホップバッグとする。お茶パックには脱脂したM8のステンレスナットを3つほど入れた。これはホップバッグの浮き上がり防止である。(過去に一つだけ入れて沈めたのだが、すぐ浮き上がってきたので数を増やしてみた。

との目論見だったのだが、いざラッキング完了後の発酵容器にホップバッグを投入すると、やっぱり浮いてきた。ホップの浮力強すぎだろ。UBL-007で、バッグが浮いた状態でも問題なくドライホッピングは出来ることは分かっているのでひとまず放置。状況を直すことよりも雑菌汚染のほうがリスキーである。

さて、ドライホッピングの最中は温度を低めに保つとよいとの情報をDIYDOGから仕入れてある。この時の温度としては14度が良いとのこと。この温度域を創り出すのはなかなか家庭では難しい。エアコンオン設定温度は最低18度だし、冷蔵庫の温度は5度と寒すぎる。
ということで以下の手法を取った。



大鍋に発酵容器を入れ、バスタオルを巻き、水を注ぎ、扇風機で風を当てる。こうすることでバスタオル表面では水が蒸発し、蒸発熱の分だけ発酵容器の表面温度が低下する。過去の実績から、室温マイナス3~4度は実現可能であり、室温を18度で保てば14度付近が狙える。(その代わりまた凍える日々が始まる

Brew Dog流ではドライホッピングは14度で5日が推奨らしいが、筆者の体調がこの気温に耐えられなくなった時点で本工程は終了しそうだ。



2017/10/09 瓶詰め

なんやかんや出張があったり、頼んでた王冠が届かなかったりしたせいで、瓶詰めがまさかの発酵開始から1ヶ月後に成ってしまった。案の定ドライホッピング工程は筆者が部屋の寒さに耐えられなく成ったため、3日で中断された。しかしドライホップの日数には諸説あり、共通するのは少なくとも3日という事だ。うまいビールも流石に体調には変えられない。
一ヶ月もの期間、発酵瓶を常温に置いておくのも気が引けたので、今回は「コールドクラッシング」と呼ばれる工程を入れた。名前はすごそうだが、要するに発酵が終わったビールを冷蔵庫の中に入れ、不純物の沈殿を促すというものだ。この工程を挟むことで仕上がりがクリアになる。

ということで一ヶ月後の発酵瓶がこちら。



写真から分かる通りかなり澄んでおり、狙い通りの効果が得られている。最下層にたまったオリを吸い込まないよう、慎重にサイホンでビールを瓶詰め用のポリタンクへ移し、プライミング用の砂糖を入れる。
前回のUBL-010 Authentisch Weizenでは炭酸強度が高すぎたため、今回は砂糖の量をやや標準よりも少なめで仕込むこととした。



到着まで2週間を要した赤王冠。こいつのせいで瓶詰めが1ヶ月後になった。だがそれだけの価値があるカッコよさ。いつも通り熱湯で煮沸消毒する。(初回時、台所用漂白剤で殺菌を行った所、表面にサビが浮いてしまったので、今は煮沸ベース)



赤王冠に合わせて白のサインペンも購入。赤地に白はやはり映える。今回、UBL-013を通常版、そしてUBL-014をドライホップ版として型番を付与した。



2017/10/16 UBL-014 試飲



瓶詰めから一週間後、醸造に一ヶ月を要したUBL-013,014ベルジャンホワイトシリーズにもついに試飲の時が来た。上の写真は確かUBL-014。ドライホップドベルジャンホワイトである。

グラスに勢い良く注いだ後、香りをかいでみると非常に爽やかな柑橘系の香りがする。カスケードホップとオレンジピールのおかげだろう。ヴァイツェン酵母由来のバナナ香も遠くに存在している。
炭酸量は強すぎずちょうどよい感じだ。ホワイトエールにはプライミングシュガーを多めに添加するレシピが多く存在するが、これぐらいでよい。

飲んでみるとボディはとても軽い。どんどん飲めるタイプのやつだ。ただどうも後味として酸味と渋みが残る。渋みを生みだした要因としては、煮出したオレンジピールだろうか。あるいはコリアンダーシードか。同じ酵母を使ったUBL-010と比較して、味の傾向は全く違う。個人的には王道のヴァイツェンの方が好みだ。渋みが消えればまだ可能性はあると行った感じ。



2017/10/17 UBL-013 試飲


ドライホップをしていない通常版も飲んでみる。UBL-014と比較してやたらと輝いているのは後ろからライトで輝かせているからだ。

香りはドライホップがないぶん、オレンジピールの香りと酵母由来のバナナ香が目立つ。しかし、その強度は前回のヴァイツェンと比べればずっと弱い。
飲んでみると、やはり後味に酸味と渋味が残る。これは要改善である。経験上、酸味は熟成によって消失するが、渋みについては未知数だ。何れにせよ、あと二週間ぐらいはほっておいて様子をみたい。

前回のUBL-010 Authentisch Weizenが素晴らしい成功を収めただけに、今回の試行は失敗感が強い。
しょせん、UBLはまだ駆け出しの醸造所なので、変な工夫を思いつきでせずに、ヴァイツェンやペールエールのようなシンプルなレシピを徹底的に極めるスタイルを取った方が後々役に立ちそうだ。
これからは冬の季節も到来することだし、ヴァイツェンボックやイングリッシュエールをフルマッシングで作る練習をしていこうか。