第三章 設営、「青葉山おでん」

3.1 中間審査

ついに修士論文中間審査会の当日がやってきた

私の発表はその日のプログラムの一番最後であり、それまでの間、必死に発表資料を見直して手直しを行い、自分の実験室にこもって最後の発表練習をしていた。

そして淀み無く発表ができるレベルに達したところで研究室に戻った。

そしてふと、自分のPCを観てみると異変に気づいた。

中間審査発表二時間前のM2のPCの上に鎮座する豚バラ肉と木綿豆腐と長ネギ

……

なんで…?


どうやら買い出し担当の後輩が僕のために肉豆腐セットを買って来てくれたということらしい。

そういうことだったのか… 本当に、本当にありがとう…!

でもその引き渡しは発表後でもよかったのでは(最高に面白かったので一瞬で許した

研究室オフィシャルの中間審査打ち上げがスタート

そして審査会は無事に終了。なんとか生還することができた…

研究室オフィシャルの打ち上げが開催され、ラボメン特製のモツ鍋をビールとともに食らう。

うまい…

達成感に満たされ、もう最高の気分だ…

だがしかし、これはゴールではなく始まりだ。

我々が一ヶ月をかけ積み上げてきた「青葉山おでん計画」はここからが本番なのだ!

3.2 設営開始

下茹でされる大根

オフィシャル打ち上げが行われている裏で、計画に関わる人間はすでに行動を開始していた。

おでん鍋のキーアイテムである大根と卵。その下茹でが打ち上げの裏で進行していたのだ。

完成したおでん鍋

下茹でした大根、卵、そして仙台朝市で購入したおでん種を矩形鍋に充填し、お手製のおでん汁を注いでついに完成したおでん鍋。

美しい、美しすぎる。

もうこれは芸術作品といっても過言ではない。

4000円の矩形鍋を買って正解だったとこの時確信した。やっぱりおでんはこの鍋でしょ。

最高のおでん鍋ができたら、次は待ちに待ったおでん屋台の設営だ!

折りたたまれたおでん屋台を屋外へ運ぶ!

どんどん組み立てる!

屋台のパーツを皆で研究棟の目の前に運び込んだら、一心不乱に組み立てていく。

分割設計に気を使った甲斐あって、トラブル無くサクサク屋台が組み上がっていく。

屋台の組み立てが完了

作業開始からわずか20分で屋台の組み立ては無事に完了した。

暖簾や照明などを取り付ける

屋台の組み立てが終わったら照明や提灯、暖簾などを実装をした。暖簾は100円ショップに素晴らしい既製品が売っていたのでそのまま採用した。左端の「千客万来」暖簾がしゃれている。

天井の照明、提灯の照明にはそれぞれ60W、25Wの白熱球を用いている。60Wの電球はもちろん雰囲気重視のクリア球だ。また今回、屋台で消費するエネルギーは全てメンバーの自給自足。屋台の隣にメンバーの車を乗り付けて、シガーソケットに接続したインバーターから100V 200Wを取るような構成になっている。

そしてようやく全ての作業が完了。

ついに点灯の瞬間がやってきた。

さあ、「青葉山おでん」開店の時間だ!!!