MFT2014 Report

2008年に開催されたMake: Tokyo Meeting 01、当時は規模も小さく会場は学校のグラウンドと体育館でした。いつしかこのイベントもビックサイト開催になって、やがては壁Makerという概念も生まれてくるのかな…などと当時は妄想していたのですが、6年の歳月を経てついに現実のものになってしまいました。

というわけで色々と感慨深い今回のMaker Faire。当然出展作品には去年以上の気合を入れて望みました。

やはりイベントという明確な締め切りが存在すると、人間というものはその前数ヶ月は凄まじいPerformanceを発揮するということが今年も明らかになりました…

アリエネー速度で装置ができ、体重が減っていく日々でした。

イベントに向けて死ぬ気で作り続けたマシンについては以下の特設サイトを御覧ください。

・Maker Faire Tokyo 2014 |Tokyo Big Sight | 2014/11/23,34

では当日のレポートです。


2014/11/22(会期前日)

今回は余裕をもって前々日に現地入りして、前日搬入からの参加でした。

トラブルで屋内出展のみに割り当てられていたというもの有り、そのへんの調整も行います。

ビックサイトに到着。今まで冬コミと博麗神社例大祭でしか来たことのないビックサイト、こうも人が居ないビックサイトは極めて新鮮でした。

他のブースの方々も事前準備中。企業出展の方々はかなり大掛かりな設営作業をしていました。

自分のブースに到着、予め発送していた荷物がバッチリ届いておりました。この手前の木箱は今回のイベントのために新造したものであり、かなりのこだわりがあります。

モデルとしては自衛隊の火器輸送木箱を模しており、シンプルな構造ですが強度はバッチリです。

毎度のこと搬入する装置がやたらと多く、輸送費だけでも往復2万円以上かかる現状、どうにかキャノン本体だけでも一箇所にまとめようと、Φ60級のキャノンが6機ほどゆとりをもって輸送できるように設計されてあります。

また佐川急便の配送料が急変する直前の160サイズギリギリにおさめてあるため、1600円ぐらいの輸送費に収まっています。

また当日は台車としても活用できるようにかなりゴツイキャスターユニットを取り付けられます。

ボルト一本で本体からは着脱可能で、輸送時には取り外すことで先の160サイズの範疇に収める事ができます。

この金属製の取手とパチン錠がカッコいい。

発送時には詰められるだけ詰め込みました。これだけ詰め込んでも壊れることもなく、無事に会場へ到着したわけです。さて、木箱についてはこのへんにしておきましょう…

前日準備の段階ではこれといって準備することもなく、ダイソーで買った原理説明用ホワイトボードを設置し、屋外実演スペースの確認に留まりました。

2014/11/23,24(MFT2014当日)

微妙に寝坊し、会場へと急行します。

ビックサイトのコンビニの印刷機でブースのポスターとかを刷ったり、ブースに装置を並べたり、大忙しでした。

実演どころではないのでとりあえず動画を流す。

Mk.16の組立作業が終わっておらず、現地での組立作業に追われる筆者の図。こうしている間にも見学の方々が色々質問しに来てくださるので、なかなか組立作業が終わりません。結局この日は閉幕時間ギリギリになってようやく屋外実演に向かうことができました。

屋外実演スタート。

ビックサイトの屋外展示場の端っこを借り、エアコンプレッサーを用いての実演を行います。

実演の序盤はこんな感じの人の集まりですが…

実際にエグゾーストキャノンの実射を始めると、その爆音がトリガーとなりどんどん人が集まってきます。

やはり衝撃波の宣伝効果は凄まじい。

またこの日、初お披露目となったMk.18の実演も行いました。

排気の瞬発力の向上に最大の重きを置いて設計した機体であり、射撃により生成された爆音が遠方の構造物で反射する様子がよくわかります。射撃後、ギャラリーの方々が皆一斉に射撃方向を追いかけるという不思議な現象も観察されました。

実演の模様はこんな感じ。

ビックサイト特有の反響音が印象的です。

また恒例の風船割りも実施。バッチリ割れてます。

そして午前中組立作業を行っていたエグゾーストキャノンアサルトこと、Mk.16の実演も実施。完璧に動作しました。

ビックサイト特有の反響音が影響し、さながら紛争地帯かのような音響が響き渡ります。

最高に楽しい。

一時はさながらマトリックスの如く、大量のギャラリーに囲まれ実演。

過去のMTM、MFTのどれよりもよい立地で、実演もやりやすかったです。

一通り実演が終わると、あとは技術解説タイムです。分解したりなんだりして、議論を交わします。この時間がやはりMakerイベントの醍醐味かと思うところです。

その後、調子に乗ってMk.16を連射しまくっていると、突然動作が停止。分解してみるも原因不明で、その後の実演を断念しました。

個人的に、Maker系イベントで気になるブースがある場合は、とにかくそれが壊れない内に観に行くというのが鉄則だと思います。(実際、素人がイベントに間に合わせるべく突貫で作った装置が2日続けて連続稼働し続けられることは極めてまれです。同人イベントで新刊の売り切れがあるように、Makerイベントでも装置の故障というアクシデントが存在するのです。

またイベント二日目、前日に引き続き、Mk.18も謎の動作停止…

分解してみると内部のメインピストンが一段目のREVに激突した様子が見て取れました。こちらも残念ながら修復は不可能で、残ったMk.11とMk.7のみで実演を続行しました。

Makeイベントに出展するのはこれで5回めですが、やはり毎回殆どの装置が現地で故障するというオチは変わりません… (作って壊して後で改良して、というサイクルは正統な技術の進歩なので、ある意味良い恒例行事だとも思ってます…(笑)

以上のような感じで装置の動作と破損を無事こなし、事故なく実演を終えることができました。今回も当然食事をする暇はなく、それまでの製作準備も相まって鬼のように疲労した二日間でした。

しかしながら自分の活動を好きなだけ語れ、その上ガンガン質問がくるという、開発者にとってはまさに悦楽の二日間でした。破損したMk.16,Mk.18についてもその原因分析は完了し、更に信頼性と性能を上げるメカニズムを考案することができました。Makerイベントは来場者とのコミニケーションも大きな魅力ですが、それ以上に開発のドライビングフォースとして大いに機能しているのだと、改めて思った次第です。

2015/10/18 yasu