Mechanism

デフラグレーションとデトネーション

原理の説明に入るにあたり、まず言葉の定義をします。燃焼の形態を定義する言葉として、デトネーション(爆轟)、そしてデフラグレーションというものがあります。後者についてはさらにその燃焼速度によって、低速デフラグレーション、高速デフラグレーション(爆燃)の2つに分類しておきます。我々が普段日常で目にするガスコンロやガスバーナなどの燃焼はこの低速デフラグレーションと分類され、火炎の伝搬は火炎から未燃焼ガスへの熱伝導により未燃焼ガスの温度が自己着火点に達することによって進行します。

一方デトネーションではデフラグレーションのそれとは全く異なった原理によってその燃焼が進行していきます。デトネーションにおける火炎の伝搬を担う物理現象とは衝撃波であり、この衝撃波が未燃焼ガス中を進行しそれがトリガーとなって極めて高速の火炎伝播が発生します。

衝撃波が気体中を通過していくと、衝撃波背後の気体の圧力がステップ状に上昇し、このとき気体は断熱圧縮により温度が急激に上昇します。断熱圧縮とは気体を急激に圧縮した際にその温度が上昇するという現象であり、よく知られた理科の実験があります。



上図に示すようにシリンダーに綿を入れ、ピストンを一気に押し込んで空気ごと圧縮すると、空気の温度が急激に上昇し、その温度が綿の自己着火温度に達することで燃えるというシンプルな実験です。

デトネーションにおいてはこのピストンに相当するものが衝撃波であり、綿に相当するのが予混合ガスということになります。




デトネーションを発生させるために最も多く用いられる装置が上図に示すデトネーション管です。構成は極めてシンプルであり、片側閉口の管の閉口端にイグナイターを取り付けただけの装置です。この管内部に予め燃料と酸化剤を混合した予混合ガスを充填し、イグナイターを用いて点火します。